「行ってこーい」がくれた安心

母の心と声かけ

次男は、小さい頃から気の小さい子でした。

新しい場所、新しい人、新しい時間の流れ。

そういうものに出会うたびに、小さな身体がきゅっと固くなる、そんな子でした。

これは、そんな次男を叱らずに、笑顔で送り出してくださった大人たちの話です。

※ あくまで我が家の振り返りです。トイレの回数や体のことで気になることがあれば、かかりつけのお医者さまにご相談ください。

幼稚園〜小学校低学年の頃

次男は、とにかくトイレが近い子でした。

朝、家を出る前に何度も。
幼稚園に着いてからも、また。
お外遊びの途中でも、また。

寝る前は……水道代が気になるくらいでした。

何とかなるさ

上の二人にはなかったことで、3人目にして初めての経験でした。

もしこれが長女や長男の時だったら、私はもっと慌てていたと思います。

「またトイレ?」と、口に出していたかもしれません。

3人目になって、ようやく少しだけ肩の力が抜けていた頃でした。

——大丈夫。この子は、この子のペースで進めばいい。

そう思えたのは、

周りの大人たちが、私より先に、そうしてくださっていたからです。

幼稚園の先生の「はーい、いってらっしゃい」

何度もトイレに行く息子に、幼稚園の先生はいつも、

「はーい、いってらっしゃい」

と、笑顔で送り出してくださいました。

「大丈夫ですよ、お母さん」

そう言って、にこっと笑ってくださった日のことを、今でも覚えています。

小学校でも、大丈夫

小学校に上がっても、トイレの近さはすぐには変わりませんでした。

授業と授業の間の5分休みには、必ず行っていたそうです。

担任の先生は、それを一度も大きく取り上げませんでした。

特別扱いもしない、注意もしない。

その淡々とした受け止め方が、息子の安心につながっていたのだと思います。

グラウンドでの「行ってこーい」

そして、野球です。

少年野球を始めた時、私がひそかに心配していたのが、このトイレのことでした。

試合中に行きたくなったらどうしよう。
コーチに何か言われたらどうしよう。

でも、指導者の方々は、

「行ってこーい」

と、ぽんと背中を押すような声で送り出してくださいました。

次の打席なのに、まだトイレから戻ってこない……なんてこともありました。

走って行って、走って戻ってくる。それで終わり。

初めてのグラウンドでは、コーチが真っ先にトイレの場所を確認して、息子に教えてくださいました。

監督も、コーチも、保護者の方々も、「行ってこーい」を当たり前のことにしてくださっていた。

だから次男は、グラウンドで安心して走ることができていました。

「また?」と言わずに、笑って「行っておいで」。

その積み重ねが、あの子の「ちょっと、こわい」を少しずつ小さくしてくれていたのだと、今になって思います。

(この次男がその後どう育っていったかは、運動が苦手だった弟が、少年野球チームのキャプテンになるまで に書きました。)

いつの間にか

「あれ、最近、試合中に行ってないね」

そう気づいた時には、もう高学年になっていました。

はっきりした理由は、正直、私には分かりません。

ただ、我が家の場合、はっきり言えることがひとつあります。

あの子のまわりには、叱らずに、笑顔で待っていてくれる大人たちがいた、ということです。

その子は、その子のスピードで

その子は、その子のスピードで育っていく。

頭では分かっていても、親はつい急かしたくなります。

我が家の場合、それを教えてくれたのは、子どもを待っていてくださった大人たちの姿でした。

(大人の声かけひとつで子どもがどう変わるかは、少年野球の親の声かけ コーチは叱る係、保護者は褒める係 にも書いています。)

あの頃の私へ

あの頃の私に、いま声をかけられるなら。

「またトイレ?」と言いそうになって、ぐっと飲み込んでいた日々を、知っているよ。

いつまで続くんだろうと、ひとりで心配していたことも、知っているよ。

大丈夫。

あの子は、あの子のペースで育っていくよ。
「あれ、最近行ってないね」と気づく日が、ちゃんと来るからね。

そして、まわりの大人たちは、あの子の小さな不安を分かってくださっていたよ。
だから、笑顔で「行ってこーい」と送り出してくださっていたんだよ。

あなたが一人で抱えていたわけじゃない。

それだけは、覚えていてね。

※ このブログは、特定の個人・チーム・指導者を批判する意図はありません。すべて「我が家の場合」の振り返りです。お子さんのトイレや体のことで気になることがある時は、かかりつけのお医者さまにご相談くださいね。

※ よかったら、また読みに来てください。

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