野球未経験かあちゃんの記録 #10|23対0で、時間切れになった、雨の練習試合の日

チームと仲間の物語

あの頃の私への手紙#10

23対0で、時間切れになった 雨の練習試合の日 

ー いい人間が集まるチームの 始まりだった話 ー


遠征先の 広い 立派な グラウンド。
最初は、雨なんて 降ってなかった、はずだったのに。

23対0で 時間切れに なった日のことです。


次男が、小2の頃の 話です。

その頃の、私たちの低学年チームは、
本当に 部員が 足りていなかった。

4年以下で、6〜7人。
試合に必要な 11人(試合に出る9人+ベンチ2人)に、どうしても 届かない。

そこで、兄弟児の妹にお願いして 仮入部してもらった。

体格のいい子、運動神経のいい子、気の強い子。
女子5人が ユニフォームを 着ていました。

元気な子たちでした。

私はかなり 心の中で、思っていました。

——このまま、誰か一人くらい 入ってくれないかな。

結局、誰も 入ってくれませんでした。


うちのチームには、長年、低学年を見続けてくれている コーチがいました。

一見、厳しそうに 見えるけれど、
心根の 優しい コーチ。

ダメなことは ちゃんと、ダメ、と言う。
怒った後は、必ず 保護者に 何があったかを 話してくれる。

低学年の わちゃわちゃの中で、
親でも お手上げな 男子たちの悪さに 根気強く 向き合ってくれていた。

(低学年で、こんな大人と 出会えるのは、最高の 環境だったと 思っています。)

そんなコーチは、

仮入部の 女子に、甘かった。

女子は、強い。
男子部員には、なかなか言えないようなことを 友達みたいに コーチに 言ってた。

——女の子の強さって、すごいなあ。

それは それで、いい景色 でした。


その日、私たちは 遠征に 行きました。

2面 取れる、広い 立派な グラウンド。
奥で 高学年の試合。
手前で 低学年の 私たちの試合。

最初は、雨は 降ってなかったんです。

息子は、最初 キャッチャーだったかな。
試合の途中で、ピッチャーになった。

ストライクが、入らない。

でも、ストライクが 入らないだけじゃ ないんですよ。

雨が 降り出して。
エラーも 多くて。

そもそも、アウトが 取れない。

(野球初心者の 集まり ですからね。)

点を取られ始めた あたりから、
ぽつ、ぽつ、と 雨が降り出して、

・・・・

最後は、ユニフォームも 帽子も グローブも、

ずぶ濡れに なっていきました。

——頼むから、早く ストライク 入れて 終わってくれー。

私は 心の中で ずっと 祈っていました。

23対0。
時間切れ。

——遠征に 来て、これかい。


ここまで 笑える話 として 書いてきたけど。

—– 現地では 私 まったく 笑えてなかった、です。

強いチームで やらせてもらってきた はずだった。
こんなはずじゃ なかったはずなのに。

そして あの頃、
入ったばかりの 筋のいい子がいた。

その子に 申し訳なかった。

——こんなチームで ごめんね。

ずぶ濡れに なりながら 思っていました。

雨に濡れて、23対0で、時間切れで、

「いやほんとに、あの頃は どん底 だったなあ」

雨に打たれながら 意気消沈した子供たちが整列しているのを 思い出す日があります。


でも、ね。

不思議なことに。

少しずつ、少しずつ、
強くて 本当にいいチームに なっていったんです。

お父さんコーチの中で
とっても 一生懸命で。 熱心な人たちが いた。

その方々は、実は自分たちも チーム出身のOBさんなのです。

ご自身が小学生の時に所属していて、大人になり 父親になって 帰ってきた。笑

恩返しというには 軽いな。

自分が育ったチームに我が子を入れたのは、厳しい中にいいものがあったから。

これまでの感謝もあっただろう。

でもやっぱり この場所が好きだからだろうな。

チームが続いていくのは

こんなに素晴らしい人たちが 支えてくれる

から なのかもしれない。

いや。

こんなに素晴らしい人を 育てたのも、
このチームなのかもしれない。

素晴らしい連鎖だな。

本当に 感謝 しています。

そして、

あの日、兄弟児まで巻き込んで
23対0を経験した 弱小チームは
息子が6年生になる リーグ戦で 優勝できました。

そこへ行き着くまでの険しい道のりは また今度。


(あの仮入部の、女子たちへ。
結局、誰も 入っては くれなかったけど。
あの 雨の中、一緒に走ってくれて ありがとう。)


あの日は、雨に ずぶ濡れに なりながら、
「こんなチームで ごめんね」って ばかり 思っていたね。

でもね、あの日の ずぶ濡れは、無駄じゃない。

ちゃんと、「あの23対0が、いい人間が 本気を出す、チームの スタートだった」と、思える日に してくれるからね。

ちゃんと、「いま、笑って 振り返れる場所」まで、連れていってくれるからね。


過去の記事は、こちらから。

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